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早大教授の1人として [生き方について]

 この記事をたくさんの方がご覧になり、様々な意見をくださいました。誠にありがとうございます。これは7/17に発表された本件に関する報告概要に基づいて私見を述べたものです。その後、本報告が公開されました。そこを読むと私がその報告を理解できていなかった部分があることがわかりました。私自身の行動は変わりませんが、その部分と関連する表現は修正いたします。ただし、これだけ多くの方がご覧になったわけで、魚拓を採った方もあるでしょうから、削除や書き直しで「ほらみろざまあ」みたいなことを言われるのも癪に障るので、赤字加筆と見え消しで対応することにし、元の記事としても読めるように致します。

昨日、一連の騒動に連なる、早稲田大学先進理工研究科にかつて提出された博士論文に関する調査委員会の報告が公表された。

これを受けて、早稲田大学教授たる者として述べる。

1.早大生・大学院生の諸君へ
 たぶん、君の先生は厳しいと思う。 もし、これまでそうでない印象を持っていたとしても、今回の件を機に、少なくとも学問については表面的にも厳しい態度を取られることがあるだろう。今まで以上に学業に専念してもらいたい。
 大学からそれぞれの世界へ出て行ったとき、もしかしたら「早大出だからダメだ」と言われてしまうかも知れない。そんなときには是非そうした意見を蹴飛ばしてもらいたい。諸君個々を見ずに「早大出だから」という言い方をする人は、実はその人自身が自分で諸君について判断する力が無い人だ。
 そして諸君がそれぞれの世界で活躍してくれることが「早大ブランド」を高めるための唯一の方法である。

2.校友の諸兄姉へ
 「そもそも早稲田には何もしてもらっていない、すべて自分の力で切り開いてきた」という古き佳き時代は遠いものとなった。第15代・白井克彦総長時代から本学は「教育の早稲田」をめざし、さらに2032年の創立150周年に向けた「Waseda Vision150」 の下、先頃再任された鎌田薫総長とともにさらなる改革・発展を期して大学は奮闘中である。
 その中途における今回のことについては色々な意見があることは当然のことであるが、少なくとも現教職員の個々は、こうした問題を真摯に受け止め、さらなる前進を続けている。このことだけはご理解いただきたい。

3.関係諸方面各位へ
 昨日の委員会報告の発表以降、様々な意見を目にしている。その論調には大雑把に言って2つの流れがあるように思う。
1) 委員会報告の結論とそれを導出する過程に関する問題点について
 後述のように、そのことについて私は公に意見を述べるべきでない。まず甘んじて受けることにする。
2) 「だから早稲田はダメだ」という論調について
 本学は組織が大きく、ある種の官僚的な匂いを感じることは確かである。本学に赴任したばかりの私には気になる点ではある。今回のこともそんな延長にあるようにも見える。しかし今我々が受けているこの論調は、ちょうど「福島第一原発事故に起因する風評被害」と同じものであると断じざるを得ない。これまで、たとえば本学の政治経済学部は斯界で高く評価されてきた。学位取得に関しても厳しい大学であるとの評を得ている。そんなセクションまでもが今回の件を受けて評価を下げられるとすれば、それは会津産で放射能など検出されない農産物でも「福島県産は危ない」と言われてしまう「風評被害」と同等である。このことについて我々は、今まで通り、いや今まで以上に襟を正して活動し、正当な評価を受けられる時まで頑張っていく。
 「早稲田はダメだ、うちは違う」というご意見も聞く。確かにそう言っておられる方ご自身はきちんとしておられることと思う。所属の学科・学部・大学全体がそうなのかもしれない。だが日本全体で見ればこれは早稲田だけの問題とは言えないのではないか。特にお上の施策で大学院がふくれあがっているのが現状である。是非これを他山の石として、各大学が襟を正していただきたい。

4.自分自身の立場・考えについて
 昨今は個人の意見を公にすることが容易である。もちろん本ブログ・本記事もその流れである。今この場で、世間の流れに乗って「そうだそうだ、早大調査委員会はけしからん、早大執行部はけしからん」などという意見表明をし、「自分だけは違いますよ」というスタンスに逃げればとりあえず安息を得られるように見える。しかしそのような態度を私は諒としない。それならば職を辞すべきである。自分が赴任する前に、しかも自分の所属するセクションではないところで起きたであるにせよ、現に早大の禄を食む者としてそのような発言は慎みたい。学内ではそのような意見を強く述べても良いが、学外に向かって言うべきこととは思わない。早稲田の代表と見做して私にぶつけられる外部からの意見に対しても甘んじて受ける。基本的に個々の意見に反論するつもりはない。

 今回の調査報告を見て、大学としての最終判断は現時点ではまだ出されていないが、私はこの報告書を以下のように解釈している。すなわち
 1)学位の授与およびその取り消しについては学則で定めてある。その学則と当時の研究科での学位審査の方針からすると、学位論文の主要部分は海外の学術雑誌に投稿し受理された内容であり、それは学位授与に十分であり、その部分は不正とは認められない。従って学則上は学位の取り消しは出来ない。もし規則を無視して当該の件に関する学位授与の取り消しを行ったとすれば、それはいわゆる無法状態である。それが波及すれば同じ状況が他にもたくさんあり、多方面に大きなトラブルを引き起こすことになる。(いくら何でも、学位論文の中核部分について外部の審査が入らないまま学位を出す教員がいるとは思えない。)

 2)それでも世間の批判をかわすために本件について超法規的に学位を剥奪し、さらに同様なケースを探し出して(見つかったとして)「この際なのですべての膿を出す」と称して何十人もの人を切って(**)その人たちの学位を剥奪して、それで大学ブランドの評判を保とうとするのは、実はトカゲのしっぽ切りに過ぎず、実は大学としてはこれまでの状況を温存してしまうことになりかねない。悪いのは大学側の審査および指導体制なのであって、それを変えることだけが意味のある行為である。むやみになのに、当該卒業・修了生を処罰するようなこと(*)卒業・修了生に不利益な行為を行うのは、社会正義に悖り、すべきでない
 3)(ここは曽布川個人の勝手な感想)残念なことであるが、長年「学生1流・施設2流・教員3流」と言われてもなかなか改革が進まなかったのは、組織が大きいことと、教員個々の精神を尊び過ぎたことにある。むしろ、こうした世間からの批判を受けながら、それを乗り越えるために大学が一丸となってやっていくぞと私は考えている。見方を変えればという決意である。すなわち外圧を利用した大学改革の一環であるとも見ている

 赴任して4ヶ月にしていきなり茨の道ではあるが、教育・研究の現場にいる者として、自分の研究をし、学生の教育をし、そして早稲田ブランドの再興を目指すのみである。

炎上上等。



* 追記: 卒業生・修了生を処罰するようなこと・・・事後的に不利益処分を行うこと と言うべきでしたね。

**追記2: 「何十人もの人を切って」は、本学の教員のことを指してはおりません。本報告は学位審査の態勢に問題があったという報告です。ほかの論文について再審査をしたら、同じようにクレームがつく可能性もあるでしょう。そんなケースを何十件切っても、それはトカゲのしっぽきりですから、長い目で見れば意味がないと考えております。一介の教授に過ぎない私が、本学の教員を処分する話など、考えるはずもありませんし、ましてや公の場に述べることもあり得ません。
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案山子

最近の教授殿は、自分を教員と認識してるんですか?
by 案山子 (2014-07-18 21:44) 

文系早稲田院生

次回の研究会で、このネタでからかわれると思うと今から不安です。唯の冗談としてしか言わないと信頼できる方々との研究会ですし早稲田OBの方もいますが、今回の決定は気が重くなります。
by 文系早稲田院生 (2014-07-18 22:35) 

通りすがり

この程度の人間が教員をしているんだから、やっぱり早稲田はクズだと断ぜるをえない。まずは、自分たちで、きちんとした処分を下すべきじゃないのか。当然、博士取り消しだけじゃなくて、審査している「はず」の教員の首も切るべきだろう。それができないということが、なによりも早稲田をダメにしている。それがわからない以上、風評被害などではなく、永遠に馬鹿にされ続けられるだけ。言葉を発する相手を間違えている。
by 通りすがり (2014-07-18 23:16) 

高等遊民

ドーピングをしたことがわかったオリンピック選手はメダルをはく奪されますよね。詐欺師は逮捕されます。

どんな背景があれ,もっとも悪いのはそれを見抜けなかった人でなく不正をした人で,十分な処罰を受けるべきだというのが基本的な見解ではないでしょうか。そうでなければ,健全な環境を維持できないのではないでしょうか。
元々健全とは程遠かったのかもしれませんが,それは健全さを放棄していいことの理由とはなりません。
また,短期的に引き起こされるトラブルより,不正によって将来の研究の発展が妨げられること,将来の研究者が何らかの不利益を被ることの方が重大であるように思います。
私利私欲に駆られて,社会に大きな損失を与えるであろう不正を侵し,何の罪もない人たちに迷惑をかけ,本人はのうのうと過ごしている。
彼らや彼らの研究を保護することに社会的メリットもなければ,保護すべき正当な理由もない以上,このような状況を見過ごせという方が無理があるでしょう。
どうやら早稲田大学というところはそれを見過ごしたらしいですが。

筆者様がどういった分野でどのような立場にいらっしゃるのかはわかりかねますが,研究者であるならば,研究者としての矜持をもって発言していただきたいです。
by 高等遊民 (2014-07-19 00:19) 

たろう

まず、果敢なエントリーに経緯を表します。
しかし、やはり身内の論理に傾かれていると思います。今、早稲田がどう対応するかを非常に注目しています。自浄作用を発揮出来なければ、早稲田全体が問題視されるでしょう。それは風評被害ではありません。内輪の不正に目をつぶるのだから。
なお、小保方氏博士論文の最大の問題は、コピペではないと思います。研究内容そのものの問題です。例えば、ネットからとられた写真は実験データとして乗せられており、これは捏造相当だと思います。他にも問題点だらけです。研究内容に踏み込んだ調査を実現出来るかいなかが私は最も重要だと考えます。
by たろう (2014-07-19 00:53) 

たろう

捕捉です。踏み込んだことをいうと、私は博士論文の内容は、大筋で虚偽、捏造で、どれだけ本当のデータがあるのかを知りたい、というレベルだと考えています。
正直、イントロのコピペなどは瑣末な問題だと思います。
by たろう (2014-07-19 00:58) 

7se

早稲田理工学部の学部生です。
僕は早稲田が好きです。自分の大学が非難されるのは辛いです。先達のしたことで僕の、僕たちの努力が全て否定されるようなことを言われてしまうのは納得がいきません。特に規模が大きい早稲田はいろいろなところで謗りを受けることがあります。正鵠を射る批判もありますが、上のコメントにもあるように「だから早稲田はクソ」なんて言われるのはたまったもんじゃありません。
でも、先生のような考え方の教授がいるなら、僕たちが頑張れば誇りを取り戻すのは可能だと思いました。この記事を励みに期末試験の勉強を頑張ります。
by 7se (2014-07-19 02:18) 

ftako

以下の部分について、質問があります。

>実はトカゲのしっぽ切りに過ぎず、実は大学としてはこれまでの状況を温存してしまうことになりかねない。

不正学位取得者や審査を怠った教授を切ると、なぜこれまでの状況が温存されるのですか?
不心得者を切り、かつ、審査システムも改革する。全く矛盾しないし、両方やるべきことです。

不心得者もダメなシステムも両方とも「膿を出す」。そうすれば「トカゲのしっぽ切り」にはなりません。


私は早稲田とは無関係ですが、早稲田の教授、OBOG、在学生、が憤りを持って団結し、総長に対して「膿を出す」ことを要求するものだと思っておりました。失望しました。

by ftako (2014-07-19 03:39) 

ppp

>> 2)「この際なのですべての膿を出す」と称して何十人もの人を切って、それで大学ブランドの評判を保とうとするのは、実はトカゲのしっぽ切りに過ぎず、実は大学としてはこれまでの状況を温存してしまうことになりかねない。悪いのは大学側の審査なのに、当該卒業・修了生を処罰するようなこと(*)は社会正義に悖り、すべきでない。

なるほど、小保方さんを処分するのは適切でないというのは確かにそうかもしれません。ですが、「悪いのは大学側の審査」であるからこそ、審査した人についてはしっかり処分されるべきですね。それは問題の核心にいる人を処分することだからトカゲのしっぽ切りでも何でもないはず。それをしなかったら風評被害でもなんでもなくやっぱり早稲田はクソだということになるでしょうね。

そして学生は何も悪くなくても、「ちゃんと審査されていないはずだから」という理由で学生の評価が下がる。
それだけは絶対に避けなければ。
by ppp (2014-07-19 04:33) 

博士号持ち

 着任早々にとんでもないことに向き合わされて、いい迷惑だと思われていること、とてもよく理解できます。でも、おかしいと思われることを何とか理屈をつけて遠ざけてしまうようなことは結局はそれを許すことになり、「不届き者」の仲間になることです。
 理研では、内部の「健全な」研究者がSTAP問題に真摯に向き合っていることが知られています。そのことが理研を辛うじて救っています。早稲田は巨大な組織だから手に負えないといっても、それを構成しているのは個々の教職員、院生・学生です。
 外から鉄槌を下されるまで知らんぷりするというのは、知性ある大学人のすることではないと思います。おー、さすが早稲田の伝統は生きていたと言われるような行動を多くの人は期待していると思います。大仰かもしれませんが、正義を貫くことに何を恐れているのか。
by 博士号持ち (2014-07-19 16:19) 

博士課程学生

D論執筆中の学生です。

 1)当該の件に関する学位授与の取り消しを行ったとすれば、同じ状況が他にもたくさんあり、多方面に大きなトラブルを引き起こすことになる。

この解釈に納得です。
ここでいう「多方面の起きる大きなトラブル」とは

「誤った学位授与をする事例や体制の存在」
ではなく、
「既に存在するであろう誤った事例や体制を明るみに出すこと」なのですね。

この「告発者=トラブルメーカー」という誤認が元凶です。
調査委員会ですらこの誤認の影響下にあるので、自己改革は期待出来ません。

「隠蔽されてきたトラブルを徹底的に明らかにすること」
こそが、再発防止と改革の最初の一歩ではないでしょうか。

今のところ誰も踏み出しているように見えませんが、
今後の動向を注目しています。
by 博士課程学生 (2014-07-19 17:32) 

AC

厳しければ厳しいほど良いとお考えですか?
教育の良さはそのような単純なものではないと思います。

コピペやカンニングを駆使しなければバイトで生活費を稼ぐことと学業が両立しないほど多量の課題を与え、完成物を持って来れない学生は容赦なく落とし、課題をこなしたかに見える学生はさほど実際のレポート等を精査評価することなく良い成績を与える。そのようなことをすれば、教員側は厳しい課題を与えて学生を鍛えているつもりでも、実際にはコピペ濫造の練習をさせているということになってしまいます。

今回の件で審査に携わった教員が処分されないのはおかしな話です。
by AC (2014-07-20 03:38) 

たろう

多分、議論の混乱の原因の一つは小保方博士論文のひどさの程度があまり理解されていないからだと思います。

上にも書きましたが、イントロのコピペなどは決して問題の中心ではありません。もっとひどい問題が沢山あります。それは内容そのものの信頼性にも関わる部分です。

本論文はSTAP論文の出発点です。STAPの方が捏造でこちらが捏造でない可能性は極めて低いと考えるのが自然ですし、昨日公開された調査委員会の報告書はその疑念を払拭するものではありませんでした。少なくとも、現時点で疑惑なし、継続調査の必要もなしの判定は理解できません。

もしも、このレベルの博士論文が他にもあるなら、当然それらも取り消されるべきだと思います。しかし、少なくとも私の知る限り、早稲田大学の研究教育水準は高く、このような例はおそらくあまりないでしょう。

なお、早稲田全体がダメというのは「仮にこの捏造博士論文を認め、内部からの批判の声も上がらなかった場合」です。身内だからといって、科学の根本を曲げるならばそれは非難されてしかるべきではないでしょうか。
by たろう (2014-07-20 17:05) 

HN

調査委員会の報告に対して、学生・教官含め内部から表立った批判が出ない、というのは問題だと思います。自らの立場や早稲田の学問的レベルを維持するためにも必要なのでは?

あと気になるのが「1)当該の件に関する学位授与の取り消しを行ったとすれば、同じ状況が他にもたくさんあり、多方面に大きなトラブルを引き起こすことになる」とありますが、何が問題なのかよく理解できません。

早稲田の当該研究科で科学者としての能力が欠如しているにもかかわらず不正に学位を取得した人が失業なり失職なりしたところで、もっと実力のある優秀な方がそのポストに就かれるだけのことではないのでしょうか。むしのその方が良いのではありませんか?
by HN (2014-07-20 17:27) 

なんだかな

早稲田が駄目だ、早稲田出身だから駄目だ、という観点ではなく、「早稲田はそういう認識のところだ」ということが明るみに出て
それが企業人の大凡の共通認識になっているというのが現状なんだけどそれは認識出来ているのだろうか。

それに加えてこのエントリ。
膿を出すのは影響が大きいからださないでおこう、という認識も持っているとなると、なおさら「早稲田はそういう認識のところだ」という後押しにしかなっていない。

俺達は間違ってない!と叫ぶのはいいんだけど
内輪向けの論調をわざわざインターネット上にポストして
炎上上等とか言われると失笑すら出てこないよ
by なんだかな (2014-07-20 20:12) 

とおりすがり

早稲田の禄をはんでいるから擁護する。一教授にすぎないので教官の処分には言及できない。

もしもそれが早稲田の体質ならば、残念ながら、現在のバッシングは非常に正当なものと言わざるを得ません。

小保方氏を出したからダメだというのではありません。例外はどこにでも居ます。要は、それへの対処が問題なのです。

なお、早稲田の批判をすることを安易な道のように書かれていますが、逆にそちらの方こそ勇気の必要な行動ではないでしょうか。実際、内部の方で批判を口にしているのを私は一度も見ていません。

by とおりすがり (2014-07-21 15:42) 

なおき

早稲田のブランドより、日本の博士論文のブランドのほうが大事では?
by なおき (2014-07-22 08:20) 

sobu

7/23午前、私自身の誤解に基づいて書いた部分を修正いたしました。これ以降は赤字および見え消しによる修正を含んだ記事に対するご意見です。


by sobu (2014-07-23 11:48) 

たろう

(1)の意味がわかりません。
岩崎秀夫先生らが指摘されているように、
https://www.facebook.com/iwasaki.hideo.5/posts/793592170693337
論文の中核部分に疑惑があります。具体的には、論文のデータに様々な改竄疑惑があります。

これらは今年3月に訂正が出されているのですが、これはpubpeerや11jigenなどで疑惑が提出されて一か月ほど後であり、しかも論文が掲載されたTissue Eng.AはFunding editor が共著者で指導者だったC Vacanti氏で、編集に恣意が加わった可能性があります。ですので、本報告書の論理展開をそのまま受け入れるのは無理があると思います。
疑惑の詳細は例えば11jigenサイトなどでチェックできますが、それを見て全く調査の必要がないと感じる人はいないと思います。

もっといえば、キメラマウスの実験は、様々な組織に寄与するものの、外から見る毛色などには影響しない、という微妙な結果です。この中途半端な性質を持つ細胞が何であるか、当初頭を悩ましておりましたが、本報告書で、肝心な部分の確認は小保方氏が東京女子医大でとあり、すっきりしました。今までのSTAP疑惑の経緯をみれば、答えは明瞭だと思います。

いずれにせよ、より本格的な調査がなされるべきだと思います。愛校心をお持ちなら、なおさらのことではないでしょうか。

by たろう (2014-07-28 17:32) 

たろう

岩崎先生らの有志と意見交換することを強くおすすめします。とくに、博士論文の中核部分の疑惑については、私のような名無しが申し上げても説得力がないと思いますし、専門外の方なら、上記サイトでは理解が難しいかもしれませんので。
彼らと先生のスタンスは異なるように見えますが、難をおそれて意見の表明をされない大多数の方々(彼らを責めるつもりは毛頭ありませんが)と一線を画しておられるところは共通しているように見えます。
by たろう (2014-07-29 01:01) 

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