SSブログ

ジャズの世界って [生き方について]

著名なジャズミュージシャンが、指導した中学生のバンドのステージ上でメンバーを平手打ちにしたという話が話題になっています。

この件で暴力容認の立場を取られる方が多数あることを残念に思います。私が日頃敬愛する諸兄までそういう側におられる。

その点でこのブログ記事は1つの方向付けを示してくれます。
ビンタ事件について元ジャズミュージシャンが考えてみた
http://k-yahata.hatenablog.com/entry/2017/08/31/%E6%97%A5%E9%87%8E%E7%9A%93%E6%AD%A3%E5%85%90%E7%AB%A5%E8%99%90%E5%BE%85%EF%BC%88%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BF%EF%BC%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%E5%85%83%E3%82%B8%E3%83%A3

よく見るのは「他に方法がなかったんだから仕方がない」という意見。昨今、他の機会でよく見る論調のように、このブログ記事は単に理念を言ってるだけだ、対案をだせと言われるかもしれませんが、音楽的なアプローチだけで充分に方法があります。少なくとも私程度にジャズをかじったことがある者でさえ方法を思いつきます。そしてそれはこの世界ではよく行われている範疇のこと。あれほどの人がそれを知らないわけはない、というかそういう修羅場を山のように経験してこられたはず。

やりようはある。それを挙げてみたいと思います。
ーーーーーーーーーーーー
 今回はドラムの子が暴走して収拾が付かなくなったという話らしい。聞こえてくる話では、トレーディング(4bars/8barsなどのやりとり)からの暴走のよう。だったら私ならこうします。
 ○まず完全なドラムソロにしてしまう。他のメンバーは全員袖へ引っ込ませます。20分でも30分でも好きなようにさせます。ドラムはバンドの中でもおそらく最強の楽器ですから影響は大きい。しかし一方でメロディを演奏するのが困難であるという弱点があります。もちろんリズムが音楽の中心ですし、レベルが高い人はハーモニー感も出せるしある程度メロディを奏でることもできる。しかし限界があります。完全なアウトで好き勝手にやるのもあるでしょうが、ネタ切れは起こすでしょうし、疲れてくればどこかで止まります。
 ○止まらなくてもネタ切れが見えてきたらメンバーを再度入場させる。それまでに自分の状況に気づかせることが大切です。自分も楽器を持って出てきてドラムに向かって指揮をして止めさせる。それでも止められなければ、日野さん自身がデュオで演奏し、Ritをかけて止めてしまう。日野皓正といえば歴史に残るプレーヤー。それも良い思い出になるでしょう。そしてベースソロからもう一度スタートさせれば良いのです。でそのあとはまだソロが回っていない子たちを中心にやる。
 使うのは音楽的なアプローチだけです。最初に全員引っ込ませるのも、ドラムソロでは良くある話です。
ーーーーーーーーーーーーーー
こういうことを言うと「ホールの利用時間が」などという反論も来るだろうから先に言っておきます。もしステージ袖で「時間通りに終わらせろ」とかいう指示が出たのなら、それこそ反抗して欲しい。世田谷区の主催で区の施設。遅くなって職員から不満が出ても区の中のこと。役人が自分たちのやっている事業なのに外の人間に責任を取らせるのにつきあってはいけないのです。どうせならそこで傍若無人に振る舞って欲しかった。それでもヤイヤイ言われたら「ぶん殴って暴力で止めさせても良いのならそうしますが、どうしますか?」「それとも若者の成長を止めるための事業ですか?」「自分は若い子たちの未来のためにやってるんだが」と言い返してほしい。そこは是非「音楽至上主義」で行ってほしいと思います。

「ジャズ」というジャンルは「興業」に絡む部分が大きく、そこには教育とは相容れない部分があることもよく分かっています。確かに60's~70'sはそれでもよかった。しかしすでにこのジャンルも「クラシック音楽」と同様に一部の、それも主として年寄りのものになってしまっている。私の周囲にはジャズを愛する若者もたくさんいますから反論したい気持ちもわかりますが、客観的に見て「博物館行き」になりかねない。私はその点で(彼はいわゆるお利口さん過ぎるという意見もあるけれど)W.マルサリスと同じようなことを日野皓正さんにも期待する。少なくとも中学生の指導を引き受けたということはそういうことだと思うのです。

色々な意見が飛び交っていますが、ジャズは本当に奥の深い、しかもある意味で若者を枠にはめないような良さがある。そこを是非大事にしたいのです。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。