SSブログ

確立しない確率 [数学的に話す技術・書く技術]

「確率に関連する研究をしてる」とかいうと必ず返ってくるのが
順列・組み合わせですか?
という話である。

順列・組み合わせと確率というのは本質的には待ったく関係ないと言ったら叱られるかもしれないが、学問的にはかなり遠い話だと言うべきだろうと思っている。

順列ってのは、順番の列。組み合わせというのは組み合わせだが、一つの組の中では順序をつけない。それだけのことである。ここまでの議論の中に確率の話は全く出てこない

にもかかわらず、なぜそんなことになってしまうのか。それは確率の計算をするときに、起きることがらの個数を数えるために、順列・組み合わせの数を数えることが多いからである。

結局ここで問題となるのは
計算結果第一主義
である。中学高校の数学において、確率の計算をさせる問題がたくさん出てくる。凝った問題を作ろうとすればそこに順列・組み合わせの個数を数える必要性が出てくるのである。

そしてそこには、そもそも確率とは?という視点が欠けてしまうことが多い。いや教科書をちゃんと見るとそれなりの説明がなされているのだが、そんなのはすっ飛ばして、解き方は?とやってしまう。そこでおかしな取り違えが起きてしまうのである。

そのためか、例えば「降水確率70%」などという表現も、なんとなく数値が大きいから・小さいからで物事を判断しがちである(まあ大体そんなもので世の中は進んでいけるのだが)。

「確率」と書こうとするとよく「確立」という誤変換が起きる。そのまま出回っている文章も多い。だが文字の話だけではなくて、そもそも「確率の意味が確立しているのか?」と問うてみたい。

その辺も詳しく書かせてもらった。



数学的に話す技術・書く技術: 文系の人も使える!

数学的に話す技術・書く技術: 文系の人も使える!

  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2021/10/15
  • メディア: 単行本






nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。