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最初の学期を終えてみて [教育について]

早大に来て最初の学期の講義が終わった。

一つはオンラインのフル・オンデマンド型の講義。ただしこれは監修という名目だが実質は観衆かもしれない。若い先生方とTA・SAの諸君がやってくれている講義で、ミーティングなどで大きな方針には関わるが、細かいことに関わらなくてもいいようにシステムが出来ているので、担当したとは言えないかもしれない。

次に。 いわゆる「教養」的な数学の講義をしたい。しかも実社会に絡めた話を楽しく。 早稲田キャンパスでの開講であり、当然受講者は「文系」の学生。そんなことが可能なのかと思っていたが、恩師でもある先輩がすでにやっている。その教科書をベースに講義をさせてもらった。

数理と社会―身近な数学でリフレッシュ

数理と社会―身近な数学でリフレッシュ

  • 作者: 河添 健
  • 出版社/メーカー: 数学書房
  • 発売日: 2012/09
  • メディア: 単行本


しかしこれをこのまま講ずるのでは学生にも著者の河添氏にも失礼なので、これに沿って進めながらも中身は相当に曽布川的だったと思う。河添氏は映画のシーンをずいぶん使って講義をしておられるようなので、そこは使わせてもらった。DVDもずいぶん見せたし、そのためにDISCASの会員にもなった。さらに、Youtubeのおもしろ画像もずいぶん見せた。「エラトステネスの歌」なんていうのがあるとは知らなかった。落語を見せようか同じ題材の講談を聞かせようか悩んだりもした。一方で、法律の条文を見ながらその意味を考えるようなこともした。「宝くじ法」「電波法」「電気通信事業法」「独占禁止法」は講義で条文を読んだ。

毎週ネタを作るのに必死だった。

そして3つめの講義は、「英語と数学の読み方」 テキストは英語で書かれた数学ゲームのテキストだが、目的はそれを使いながら「英語と数学の読み方」を考え直させるものであった。

昨年秋、この講義のシラバスを書く際に、こんな記事を書いたことを思い出した。

こちらも、数学として適当に読むならば斜め読みで済むところ、ちゃんと文法構造を把握し、最終的には日本語としてきちんとした訳まで考え、さらにそれを楽しく考えさせるためのゲーム作りなどをしたので、相当に大変であった。

これらの講義は1限に設定したこともあり、また新設科目なので学生の間で情報が回っていないこともあって、履修登録が2つ合わせて100名ほど、最後まで受験したのは約半数と、もったいない状況だったが、最後までつきあってくれた学生は、それぞれ色々と考えてくれたようである。

これで何とか春学期は終了。秋に向けての準備も始めなくてはならないが、まずは解放されて、自分の研究に時間を割こうと思う。
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