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直感でわかるロジカルシンキング [教育について]

「ロジカルシンキング入門」なんていう講義を出している。ずっと自分で考えて来たことがあるので、それに対する思いが強い。それだからか、世にあるロジカルシンキングがどうしたという書籍で意味のありそうなものを見たことがなかった。新しいものを見てもあまり食指は動かない。

この本についても、twitterでずっとフォローしている 伊藤達夫氏 @TatsuoIto の書かれたものだしどうしようかなと思ったが、このタイトルを見てこれはもしやと思って即予約して読んでみた。

直感でわかるロジカルシンキング

直感でわかるロジカルシンキング

  • 作者: 伊藤 達夫
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2015/02/19
  • メディア: 大型本



どこに魅かれたかというと、
直感でわかる

である。それは売るためのキャッチーなネーミングかもしれないが、私はここがポイントではないかと思っている。

そもそも昔から「論理的にわかる」なんてのは認めない。あんまりしっかり書いていなかったのだが

論理的に思考? 
http://sobukawa-in-waseda.blog.so-net.ne.jp/2014-08-05 

旧ブログでもたとえば
ノートを取ること
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2014-03-29

と述べている。そしてこのような考えに則り、これまで学生指導を行ってきた。

本書は、少し言葉遣い・言葉の定義が違うが、本質的に同じ発想のようだ。

1時間目:わかる
まずは論理的に「わかる」ことが1歩目だと説く。社会科学系・人文科学系ではそれでもいいだろう。これまで数学教育を指導してきた立場からすると、教師にとって
 ○ 論理的に「わかっている」だけでは話にならない
 ○ その上で感覚的に、しかもいろいろな角度でわからなくては授業などできない
 ○ しかし直接的に伝えられるのは「論理的に」だけであって、感覚的な理解を他人に伝えるのは相当に難しい
と思っている。その上でわかるということを
 ○ 既知の知識と一体的に結び付くこと
としてきたのだが、その点で本書は少々進め方が違うようではある。

2時間目:考える
基本的な発想は変わらないように思うが、本書はずっと具体的である。それはビジネスシーンをお思っているからだろう。曰く
 「事実と違うことを想定するのが考えるということ」(p.46)
数学教育や数学の研究をしていると、自らそれを想定する段階が必要ないことも多い。なのでこの指摘はなかなか面白い。この話はイタダキである(ネタバレになってはいけないので、詳細は本書に譲る)。

3時間目:伝える
ここになぜか 「「わかる」には2種類ある」 とある(P.78)。このあたりが私がもっとも共感できるところである。

こちらはまだまだ大学という象牙の塔にこもっている部分もあって、現時点では「最後は指導した学生に任せてしまう」という部分もあるのだが、本書はその点でもっと社会で使える方向に書かれている。

大学でこれをそのまま教えるかと言われれば私はやらないが、示唆を受けたことはたくさんある。多くの人の感想を聞いてみたい。


直感でわかるロジカルシンキング

直感でわかるロジカルシンキング

  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2015/02/20
  • メディア: Kindle版



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