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うず潮型に書く日本人 [英語ねぇ]

なかなか興味深い本に出会った。


英語世界の表現スタイル~「捉え方」の視点から

英語世界の表現スタイル~「捉え方」の視点から

  • 作者: 吉村 公宏
  • 出版社/メーカー: 青灯社
  • 発売日: 2011/05/27
  • メディア: 単行本



結構前の本なんだけど、全然知らなくて今回初めて手に取った本。

やっぱり専門家は見るところが違うという典型。この本を通じて勉強したことを少しずつ書き記してみたいと思う。

まずはなんと言っても帯に書いてあったこの
うず潮型に書く
である。

およそどこでも、人々はこんな風に進める。

1.とりあえず全部単語を辞書で調べる。
2.出てきたそれぞれの単語の訳語を並べて、なんとなく日本語の文(のようなもの)を作る。
3.「後ろから訳す」
4.できあがった文を読んでその意味を知ろうとする。
5.わかんねぇ、無理だぁといって投げ出す。

それこそ投げ出す人が大半。だから英語で書かれた文献を読ませようとすると嫌な顔をする。

そこで昔から言ってきたこの解決法が「語順訳」。昔のブログに何度も書いた。
これは5年以上前。
「語順訳って何?」2010.02.05
もちろん私のオリジナルじゃなくて、ネタ元はこちら。 「どんぐり倶楽部」

私自身はこの方向で指導してきた。すなわち、頭から読んで途中まで読んで意味を考える。そしてそのまま読み進める。

実際しゃべろうとするときに「後ろから」なんていう話をしていてはどうしようもないだろう、という話をしてきた。

それを裏付ける吉村氏のテキスト。すなわち、英語的な表現はまっすぐ直線だ。しかし日本語(アジアのという話だった)の表現は、周りからぐるぐる回って中心部に向かっていくのだという。すなわち学生たちの英文の読み方も、周りに色々なものを適当に並べて、中核を推し量ってくれというようなものだったのだ。

そのことをズバリ指摘してくれたこの本。なかなか面白い。

で、昔書いた次の話は、実はこのことを逆手にとって、日本語を母語とする人に優しい形で英文の読み書きをさせようというものだった。
「中間日本語」 2010.08.19
そんなことも全部総括できたのは良かった。来年の「英語」の授業に活かさなくては。

ちなみにこの話のネタ元はこの本。良い本だから、kindleでも出てるな。

日本語が見えると英語も見える 新英語教育論 (中公新書)

日本語が見えると英語も見える 新英語教育論 (中公新書)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1994/10/25
  • メディア: Kindle版


紙の版はこちら。

日本語が見えると英語も見える―新英語教育論 (中公新書)

日本語が見えると英語も見える―新英語教育論 (中公新書)

  • 作者: 荒木 博之
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1994/10
  • メディア: 新書



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