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「つぶしが効く」学問? [教育について]

これまでもずっと見ているが、あまりここで紹介したことはないし、増して反論などしたこともない、東大の中原淳氏のブログの記事について書いてみたくなった。

世の中に蔓延する「つぶしがきく幻想」を冷静に考える!?:いったん学んだことだけで、一生食いっぱぐれないのは可能か? 2015.12.1
http://www.nakahara-lab.net/blog/2015/12/post_2521.html

「大学でつぶしのきく分野・学部は何ですか?」と問われたのに対してどう答えたかという話である。

この文章を見て、中原氏は一義的には学者さんなんだなと思った。自分だったらこういう議論展開はしないからだ。
僕がもっともリスキーだなと思うのは、この言葉の背後にある仮説=背後仮説です。  この言葉の背後には、 1.どんな状況になっても、生き残っていける万能のスキル・能力があるはずであり、それを体系だって教えてくれるものが学問であるとする考え 2.その学問分野を教育機関では学んで、スキル・能力を獲得しちゃうことが、将来の優位まで保証してくれるはずだという考え 3.仕事に入ったら、それを武器として、何とか生き残っていくことができるはずである  という考え方が見え隠れするからです。

なるほど、まあそれはその通りだと思う。でそれに続いて

 僕の常識では、
1.これだけ社会のあり方が変わる現代で、どんな状況でも生き残っていける知識・スキルを想定することは困難である。むろん、学問はそれを体系的には教えられない
2.教育機関で学べることだけで、一生生き残っていけると考えることが、そもそも想定できない
3.仕事領域に入っても学びはつづく。むしろ、そこで学び続けることが重要

いやいや、それもその通り。だから氏を非難する気は全くない。でも自分だったらそう聞かれたら全然違う答えをするだろう。

そもそも大学の勉強は役に立たない。だから大学などに来ても無駄だという意見もある。特にホリエモンとか最近ビジネスで成功している人たちの中には「大学進学なんかやめてしまえ」という人もいる。まあそう思う人はそれでいい。だが私は違うことをいう。

○ きちんと論理立てて物事を整理する力
○ わからないことがあったときに、単にググるだけではなくて自分で調べる力
○ 世の中は自分の知らないことがほとんどであるから、幅広く身に着けようとする姿勢

これを養うことは、実はどんな学問をやってもできると思う。ただし条件がある。
ちゃんとやるかどうか
残念ながらどの大学のどの学部でも、またどの先生もそういう教育をしてくれるとは言わない。そういう指導をしてくれないところも多い。でもそういうところに行きなさい、そうやって勉強しなさいというだろう。

で、次に言うのは
わが社へいらっしゃい。そして私の授業を取りなさい。厳しく指導してあげるから。


自分は中原氏とは違って、基本スタンスが教育者なんだなと思う。

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